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合成石は悪なのか?安易に切り捨てるのは惜しいかも。

みなさまはジュエリーを買うときに、使用されている宝石がどんなものか意識したことはありますか?
宝石の種類や色、大きさなどはやはり気になりますが、その石が天然か合成か、知っていますか?

「このジュエリーは合成か〜、、」と選択肢から外してしまうのは実は勿体ないかも。
そもそも宝石って、天然だから良い物、なのでしょうか?

天然と合成の違いは、過程だけ

そもそも天然石とは、

自然界で作られた石

のことです。

人の手が入っていないので、
・自然に作られたものなので不純物が入ることがある
・色味のコントロールができない
とも言えます。

その分一つ一つに個性はあるけど、現物を見ないと思っていたものと大きく違うこともあります。

反対に合成石は、

その名の通り宝石を構成する成分を人工的に合成して作られた石のことです。
人工石や人造石、Synthetic Stone(シンセティックストーン)とも呼ばれます。

本来なら長い年月をかけて自然界で作られる石を、高度な技術で短時間で綺麗かつ安価に作ることができます。

天然石と同じ成分で構成されているので、例えば合成ルビーも天然ルビーも成分鑑定すると同じ「ルビー」です。

合成石を偽物という人もいるかもしれませんが、着色ガラスやスワロフスキーなどの模造石とは異なり、成分的に見れば偽物ではありません。
つまり、天然石と合成石の違いは、石が作られるまでの過程に人の手が入ってるかどうかの違い、ということです。
(処理石などの話も入ってくるとちょっとややこしくなりますが、今回は合成石のお話なので一旦ここでは脇に置いておきます)

実は合成石の歴史は長い

先ほど例に出てきた合成ルビーや合成サファイア、合成スピネルなどは、実は戦前(!)からジュエリーに使用されてきました。
コレクターの方も多い昭和のジュエリーには、よく指の幅ほどもある大振りの合成石が使用されています。
合成石の流通により、古くからジュエリーが人々の生活に普及していったんですね。
(余談ですが昭和ジュエリーは子供の頃に遊んでいたおもちゃの指輪を彷彿とさせるデザインが多く、見ていると心が震えます・・・!)

私たちのおばあちゃんやひいおばあちゃんの時代から馴染みのある合成石。
そんな歴史の深い合成石は、その特性から実はネットでのお買い物に向いています。

品質が安定している合成石

先ほど書いた通り、合成石は、人が作り出した石です。
同じ成分量、同じ製法を何度も繰り返すことで、
人々がより魅力的に思える色味や透明度の宝石を、たくさん作り出すことができます。

ネットでのジュエリーのお買い物は、現物を見れないので色味や透明度、内包物の有無などに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

もし届いたジュエリーの宝石が濁っていたら、、

写真だと気付かなかったけど目立つところにインクルージョンがあった、、

など、何個も買えるものではないジュエリーだからこそ、お買い物の不安は尽きません…。
それもその石の「個性」なんですが、せっかくジュエリーを身に着けるならより綺麗な宝石を!という気持ちもまた真実。

石一つ一つに特徴のある天然石とは違い、合成石は基本的に品質が均一なので、
合成石を使ったジュエリーも画面上に表示される画像やイメージと大きな差異なく手に入れることができます。

合成だから手に入れられるものもある

よくある合成石の一つ、モアサナイト(モアッサナイト)。
その性質はダイヤモンドにとてもよく似ていて、輝きはダイヤモンドを超えると言われています。

欧米を中心としてじわじわ人気が高まっているモアサナイトですが、ジュエリーとして市場で出回っているモアサナイトはそのほとんどが合成石です。

というのも、モアサナイトは産出量が極端に少なく、ジュエリーとして広く流通されるほどには遠く及びません。
でも、魅力的な宝石だとわかっているのにジュエリーにできないなんてなんだかもったいないですよね…。
そこに目をつけたCharles&Colvard社が合成モアサナイトを作り出したことから、モアサナイトのジュエリーの歴史が始まりました。

モアサナイトは人工的に作り出せるようになった現代だからこそ楽しめる宝石の代表格と言えるのではないでしょうか。

合成だから夢がある

カラーストーンで人気の宝石と言えば、やはりルビーやサファイアではないでしょうか。

これらの宝石は、天然であれば「ピジョンブラッド」や「コーンフラワーブルー」など、
希少性の高いものになればなるほど価格が(もちろんですが)上がり、
大きいものや透明度の高いものはあまり市場に出回らなくなります。(お値段も目玉が飛び出そうなものに…)
産出量も年々減っているので、「濃い色で透明度が高く大きい石」はなかなかお目見えできなくなってきました。

そんな高価なルビーやサファイアですが、合成石になるとどうでしょうか。
迷って迷って、清水の舞台から飛び降りて買うほどの「濃い色で透明度が高く大きい石」が
記念日や頑張ったご褒美として選べるような、手が届く身近なものになります。

もしかしたら、天然石を使用したジュエリー1つ分で、合成石のジュエリーが2つ買えてしまうかも。
宝石の種類違いのジュエリーを手に入れて、気分で着け変えなんかも楽しめますね。
(ジュエリー好きとしては夢が広がります…笑)

最近ではダイヤモンドも合成のものが増えてきましたね。
天然では手が届かない大きさのものも、合成石なら叶うかも。
ジュエリーは高価で縁遠いな、と思っている方にも、ぜひ「合成石」という存在を知っていただければと思います。

宝石自体を楽しむなら、合成石もだんぜんアリ

「天然の」宝石が欲しいんだ!という方ももちろんいらっしゃると思います。
天然の鉱物にはその一つひとつにロマンや美しさがあります。
資産価値を考えるなら天然石の方が良いでしょう。

ですが、「その宝石自体を」楽しみたい、手に入れたいという場合は、
お手頃なのに美しい、合成石も選択肢に入れてみるのはいかがでしょうか?